もんちゃんの雑学集

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お金で作られた“うちわ”、その名も「左うちわ」があった!〜古くなった紙幣の末路

左うちわ余裕のある楽な暮らしぶり…羨ましい響きですね。
この左うちわの語源は、「一般的に利き手でない左手で、うちわや扇をゆっくりと使う姿は、あくせく働く必要がなく、ゆったりした生活を送っているよう見えるため」だそうです。
ところで、お金で作られた「左うちわ」があるらしいという、古くなった紙幣のリサイクル話があるということなので、どういう事なのか調べてみました。

 

まず、日本銀行によると、紙幣の平均的な寿命は、一万円札で3〜4年程度、五千円札と千円札は使用頻度が高く傷みやすいことから1〜2年程度だそうです。また、寿命が過ぎた紙幣は、年間およそ3,000トン(3億枚)あるそうです。
流通に適さなくなった紙幣は、日本銀行の本支店内で細かく裁断されます。


以前は大部分を一般廃棄物として各地方自治体の焼却施設において焼却処分していたそうです。
どうやら紙幣は、以下のような理由から、一般紙へのリサイクルに向かないため、焼却率が高かったそうです。
*特殊な原料を使用している為に紙質がしっかりしていて繊維質が取り出しにくい
*インキも特殊でインキが抜けない

 

しかし近年、環境保護の観点からリサイクルすることが求められています。
リサイクル例としては、段ボール箱、バインダー・ファイルなどの事務用品、靴・スリッパの中敷、住宅用外壁材、固形燃料、貯金箱、猫用トイレの砂、植木鉢などがあります。
…なるほど、様々な物に紙幣はリサイクルされているのですね。

 

では、本題の「左うちわ」についてみていきましょう。

これは、2005年(平成17年)に、日本銀行甲府支店が開設60周年記念事業の一環として、使えなくなった紙幣の裁断屑のリサイクル方法を募集したことに始まります。
これまで、同支店は、汚れるなどして使えなくなった紙幣は、細かく裁断し来店記念に配る、または一般廃棄物として焼却処分していたそうです。
当時の支店長は、他支店では使えなくなった紙幣のリサイクルを進めているのに、同支店ではリサイクル出来ていないとして、「環境に優しく、山梨県の経済発展に寄与するリサイクル方法を期待しています」と紙幣のリサイクル方法を募集しました

 

この募集に対して、山梨県にある 高野デザイン工房 代表の高野一也氏が「左うちわ」を作ったら良いのではないかと応募しました。
高野氏は、山梨は和紙の産地であったため、紙幣で和紙を作ればいいのでは…と思い付いたそうです。そういえば、紙幣も和紙も、ミツマタから出来ていますもんね。
またリサイクルするのが紙幣、つまりお金なので、「左うちわ」を思いつき、“紙幣をリサイクルした「左うちわ」”というアイデアが生まれたそうです。

 

この案は、めでたく採用され、実用化にも成功し、翌年の2006年(平成18年)、「左うちわ」は商品化されました

 

如何だったでしょうか。なかなかシュール?な話でしたね。
ちなみに、今でも販売されているのか調べてみましたが、2015年(平成27年)に山梨のローカル番組で「開運グッズ」として紹介されたようですが、それ以上の情報は出て来ませんでした。同じく紙幣から出来た「カレンダー」もあるようでした。

「左うちわ」、是非とも入手して、開運し、左うちわ状態になってみたい管理人なのでした。